- 税金支払いの流れと税金の種類
- 住宅をめぐる税金の特例
- 住宅をめぐる税金の特例
- 不動産売買時や取得時にかかる税金には、所定の申告をすることで、軽減措置や税額控除を受けられる特例制度があります。住宅をめぐる税金はその額が大きいので、特例制度を賢く活用して、少しでも節税を図りたいものです。 申告方法や提出書類はそれぞれ異なりますので、詳しくは所轄の税務署や各都道府県税務事務所などにお問い合わせ下さい。
住宅取得資金の贈与に関する特例
住宅の購入資金を親などから援助を受けた時には、通常の贈与のほかに、平成15年度の税制改革により、贈与税と相続税を一体化して考える相続時精算課税制度が導入されました。また、適用要件を満たせば「住宅取得資金贈与の特例」が適用され贈与税の非課税限度枠を増やすことができます。
なお、経済危機対策における税制上の措置として、「住宅取得のための時限的な贈与税の軽減」が盛り込まれており、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に20歳以上の者が直系尊属(例えば実父母や実祖父母)から金銭の贈与を受けた場合には、500万円まで贈与税が課せられないことになりました。
この特例は、次表「住宅取得資金贈与に関する特例の比較」における「通常の贈与」、「相続時精算課税」(住宅取得資金贈与の特例)の非課税枠と合算して適用されます。例えば、「通常の贈与」を選択すれば110万円と今回の500万円を合算した610万円、「相続時精算課税」(住宅取得資金贈与の特例)を選択したのであれば3,500万円に今回の500万円を合算した4,000万円の贈与税が非課税となります。
住宅取得資金贈与に関する特例の比較
| 通常の贈与 | 相続時精算課税 制度 | 相続時精算課税 制度 住宅取得資金贈与 の特例 | |
|---|---|---|---|
| 制度の概要 | 毎年の贈与を暦年で課税していく制度 | 贈与税と相続税を一体化して遺産相続時に税額を精算する制度 | 左のうち、住宅取得資金に限定した制度 |
| 非課税枠 | 非課税限度額110万円超える部分は累進課税 | 非課税枠2,500万円(累計)超える部分は一律20%課税 | 左に1,000万円を加算した非課税枠3,500万円(累計)超える部分は一律20%課税 |
| 特例の有効期限 | 平成15年1月1日からの贈与 | 平成15年1月1日から平成21年12月31日までの贈与 | |
| 贈与をする人 | 制限なし | 自己の父母でその年の1/1で65歳以上 | 自己の父母年齢 制限なし |
| 贈与を受ける人 | 年齢制限なし | その年の1/1で20歳以上の子(推定相続人) | その年の1/1で20歳以上の子(推定相続人) |
| 利用できる回数 | 毎年 | 回数の制限はなし | 回数の制限はなし |
| 資金使途 | 制限なし | 制限なし | 自己居住用家屋の取得(敷地を含む)贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得を行い居住している事、又は同日後遅延なく居住する事が確実と見込まれる事(翌年12月31日までに居住しない場合、特例は取り消される) 床面積50㎡以上 床面積の50%以上が居住用中古住宅は建築後20年以内(耐火建築物の場合は25年以内) (増改築の場合)工事費用100万円以上増改築後の家屋の床面積が50㎡以上 |
| 申告の要否 | 毎年110万円未満であれば不要 | 非課税でも申告が必要 | 非課税でも申告が必要 |
- ※ 平成15年1月1日以後に住宅取得資金等の贈与の特例(旧制度)の適用を受けた人は、適用を受けた年以降5年間は、その贈与者からの贈与について相続時精算課税制度(新制度)は選択できません。
- ※ 平成15年1月1日以前に、住宅取得資金等の贈与の特例(旧制度)の適用を受けた人は、相続時精算課税制度(新制度)も選択できます。
- ※ 一度相続時精算課税を選択するとその後の贈与について通常の贈与制度(110万円非課税)を選択する事はできませんので注意してください。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローン等を利用してマイホームを新築、購入または増改築等をし、一定の要件に当てはまるときに、その新築等のための借入金の年末残高を基に計算した金額を、居住の用に供した年以降の各年分の所得税額から控除できるものです。
借入金の年末残高×控除率=控除額
(居住開始年度により、控除できる上限金額、控除率等が異なりますので別表1、2を参照して下さい)
この制度は、当初平成11年1月1日から平成20年12月31日までの間に居住の用に供した場合に適用されることになっていましたが、平成21年度税制改正において、住宅ローン減税の適用期限が5年間延長され、
(別表1)平成21年1月1日から平成25年12月31日までの控除率等
| 居住年 | 控除期間 | 住宅借入金等の 年末残高の限度額 | 控除率 | 最大控除可能額 |
|---|---|---|---|---|
| 平成21年 | 10年間 | 5,000万円 | 1.0% | 500万円 |
| 平成22年 | 10年間 | 5,000万円 | 1.0% | 500万円 |
| 平成23年 | 10年間 | 4,000万円 | 1.0% | 400万円 |
| 平成24年 | 10年間 | 3,000万円 | 1.0% | 300万円 |
| 平成25年 | 10年間 | 2,000万円 | 1.0% | 200万円 |
さらに平成21年度の税制改正においては、平成21年6月4日(長期優良住宅の普及の促進に関する法律の施行の日)から平成25年12月31日までの間に「認定長期優良住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除の特例」が創設され、この適用を受けられる場合には
(別表2)「認定長期優良住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除の特例」の適用を受けられる場合の控除率等
| 居住年 | 控除期間 | 住宅借入金等の 年末残高の限度額 | 控除率 | 最大控除可能額 |
|---|---|---|---|---|
| 平成21年 | 10年間 | 5,000万円 | 1.2% | 600万円 |
| 平成22年 | 10年間 | 5,000万円 | 1.2% | 600万円 |
| 平成23年 | 10年間 | 5,000万円 | 1.2% | 600万円 |
| 平成24年 | 10年間 | 4,000万円 | 1.0% | 400万円 |
| 平成25年 | 10年間 | 3,000万円 | 1.0% | 300万円 |
- ※ 「個人住民税における住宅借入金等特別税額控除」制度が創設され、平成21年から平成25年までに入居し、所得税から控除しきれなかった控除額を翌年度分の個人住民税から控除する制度が創設されました。個人住民税からの控除額は、その年分の所得税の課税所得金額等の5%(最高97,500円)が限度となります。
主な適用要件
- その者が主として居住の用に供する家屋であること
- 住宅の引渡しまたは工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること
- 床面積50㎡以上あること
- 店舗等併用地の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること
- 借入金の償還期間が10年以上あること
- 年収が3,000万円以下であること
認定長期優良住宅新築等特別税額控除(投資型減税)
ローン減税は、あくまでも住宅ローンを利用して建設・購入する人が対象ですが、長期優良住宅については、ローンを利用しない人にも減税が適用されます。
認定長期優良住宅の新築等を行った場合、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の施行の日(平成21年6月4日)から平成23年12月31日までの間に居住の用に供した場合、一定の要件の下で、当該長期優良住宅の新築等に係る標準的な性能強化費用相当額(1,000万円を限度とする)の10%に相当する金額をその年分の所得税の額から控除できることになりました。
認定長期優良住宅について
講じられた構造及び設備に係る標準的な費用の額(最高1,000万円)
× 10 % = 認定長期優良住宅新築等特別税額控除額
- ※ 本制度(投資型減税)を適用する場合には、住宅ローン控除は適用できません。
住宅の譲渡に係る3,000万円の特別控除
住宅を売った場合に譲渡所得が生じても、この特別控除を適用することにより、譲渡益の3,000万円までは税金がかかりません。 この適用を受けるには確定申告書にこの特例(措法35条)を選択したことを記載し、必要書類を添付しなければなりません。
適用要件
- 現に居住している家屋を譲渡した場合
- 現に居住している家屋とともにその敷地である土地等を譲渡した場合
- 譲渡をその家屋に居住しなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに行った場合
- 譲渡の相手が配偶者や親子など特別な間柄でないこと
- 前年又は前々年に次の特例を受けていないこと
- この3,000万円控除の特例
- 居住用財産の買い換え・交換の特例
- 居住用財産買い換えの場合の譲渡損失の繰越控除
住宅資産の買い換え特例
売却した住宅資産の価格と同額、またはそれ以上の住宅資産に買い換えた場合、次に住宅を売却するときまでの税金が繰延べられます。
この適用を受けるには確定申告書にこの特例(措法36条の6)を選択したことを記載し、必要書類を添付しなければなりません。
譲渡資産の譲渡価格 <又は= 買い換え資産の取得の場合
譲渡所得 = 0で課税されない
譲渡資産の譲渡価格 > 買い換え資産の取得の場合
(譲渡資産の譲渡価格(A) - 買い換え資産の取得価格(B)) - (譲渡資産の取得費+譲渡費用)
× (A – B)/A = 長期譲渡所得の金額 ←課税される
適用要件
- その家屋又は土地等が、譲渡した年の1月1日に所有期間が10年を超えていること
- 本人の居住期間が10年以上のもの(相続等の取得の場合は30年以上)
- 居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに行う譲渡
- 平成21年12月31日までの譲渡であること
- 買い換える建物の床面積が50㎡以上のものであり、買い換える土地の面積が500㎡以下のものであること
- 買い換える建物が、耐火建築物の中古住宅である場合は、取得の日以前25年以内に建築されたものであること
- 譲渡年の前年1月1日から譲渡年の12月31日までの間に取得をし、その翌年の12月31日までに居住するもの又は見込みのもの
- 譲渡の相手が配偶者や親子など特別な間柄でないこと
- 前年又は前々年に次の特例を受けていないこと
- 3,000万円控除の特例
- 長期譲渡所得の税額の軽減
- 居住用財産買い換えの場合の譲渡損失の繰越控除
住宅の買い換えによる損失の繰越控除
住宅の買い換えにより譲渡損失が発生した場合、その譲渡損失は翌年以降3年間に渡り、総所得金額からの繰越控除が認められます。この特例は住宅ローン控除と併用が可能です。ただし、住宅ローン控除と違って毎年確定申告書を提出する必要があります。
合計所得金額が譲渡損失より低い場合(翌年以降は繰越額)は譲渡した年を含み4年間にわたり所得税と住民税が0円になることがあります。
適用要件
- 譲渡する家屋又は土地等が、譲渡した年の1月1日に所有期間が5年を超えていること
- 譲渡年の前年1月1日から譲渡年の翌年12月31日までの間に、自己の居住用家屋(床面積50㎡以上)を取得し、その翌年の12月31日までに居住するもの又は見込みのもの
- 平成21年12月31日までの譲渡
- 譲渡の相手が配偶者や親子など特別な間柄でないこと
- 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
- 買い換えた資産に係る返済期間10年以上(繰越控除の適用を受ける年の12月31日において)の住宅ローンの残高を有すること
- 譲渡をした年の前年又は前々年に次の特例を受けていないこと
- 3,000万円控除の特例
- 居住用財産の買い換え・交換の特例
- 長期譲渡所得の税額の軽減
特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
住宅ローンが残っている不動産を譲渡して譲渡損失が発生した場合、その譲渡損失の金額のうち譲渡時の住宅ローン残高を超える金額については、買い換えをしなくてもその年に損益通算することができ、控除しきれない金額についても翌年以後3年間に渡って繰越控除することができます。
控除額
- (取得費+譲渡費用)-譲渡価格
- ローン残高-譲渡価格
- 1、2のいずれか少ない金額
適用要件
- 譲渡する家屋又は土地等が譲渡をした年の1月1日に所有期間が5年を超えていること
- 平成21年12月31日までの譲渡であること
- 譲渡の相手が配偶者や親子など特別な間柄でないこと
- 譲渡契約日の前日においてその建物または土地にかかる住宅ローンが残っていること
- 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
- 譲渡をした年の前年又は前々年に次の特例を受けていないこと
- 3,000万円控除の特例
- 居住用財産の買い換え・交換の特例
- 長期譲渡所得の税額の軽減
- 税金支払いの流れと税金の種類
- 住宅をめぐる税金の特例


