【第173回】福島県で叶える注文住宅の暮らし|エリアごとの魅力や費用相場を解説NEW
2025.12.24
福島県で注文住宅を検討する際、どのエリアが暮らしやすいのか、土地代や建築費はいくらかかるのかがわからず悩む方は少なくありません。実際に、福島県は太平洋側の浜通り、中央部の中通り、山間部の会津地方で気候や積雪量、土地価格などが大きく異なるため、エリア選びには慎重さが求められます。
本記事では、福島県の地域特性や生活環境、土地代・建築費の相場、役立つ補助金情報、暮らしやすいおすすめエリアまでわかりやすく解説します。安心して家づくりを進められる情報が詰まっているので、ぜひお役立てください。

<INDEX>
- 福島県の基本情報
- 福島県で注文住宅を建てる場合の費用相場
- 注文住宅を建てるのにおすすめのエリア
- 福島県で注文住宅を建てるときに役立つ補助金情報
- 福島県で注文住宅を建てて生活の利便性を高めた暮らしを叶えよう
福島県の基本情報
福島県で注文住宅を建てる前に、まずは地域の基本情報を把握しておきましょう。以下では、福島県の地域特性や交通アクセス、治安状況、文化・イベント、生活に必要な施設について解説します。
福島県の地域特性
福島県は、東北地方の南端に位置します。東京から鉄道でも車でも日帰り可能な約200km圏内の立地です。面積は13,783.90k㎡で全国3番目の広さを持ち、2025年12月現在の人口は約171万人です。
県内は奥羽山脈と阿武隈高地によって浜通り・中通り・会津の3地域に分けられ、それぞれ気候特性が異なります。浜通りは太平洋側気候で冬も比較的温暖、会津は日本海側気候で冬季の降雪が多く、中通りはその中間的な気候となっています。
交通アクセス
福島県は東北の玄関口として交通利便性に優れており、首都圏や県内各地への移動がスムーズで、生活や通勤・通学に便利なエリアです。
県内には東北新幹線が通っており、東京駅から郡山駅まで約80分、福島駅まで約90分でアクセスできます。在来線はJR東北本線、磐越西線、磐越東線などが運行しているほか、道路網は東北自動車道、磐越自動車道、常磐自動車道の3本の高速道路が整備され、車での移動も快適です。
さらに、福島空港からは札幌や大阪への定期便があり、路線バスや高速バスも充実しています。
治安
福島県の治安は、全国で見ると平均的な水準です。県内では会津地方が特に治安がよく、昭和村、北塩原村、西会津町などが犯罪遭遇率の低いエリアとなっています。
福島県では防犯ボランティア団体への支援や、警察と地域が連携した見守り活動が盛んです。また、メールやSNSを活用した犯罪情報の配信、巡回連絡による各家庭への防犯指導なども実施されており、地域全体で安全な暮らしを守る取り組みが進められています。
文化・イベント
福島県は歴史と文化が豊かな地域です。県唯一の国宝建造物である白水阿弥陀堂や、赤瓦の天守閣が美しい鶴ヶ城、宿場町の面影を残すノスタルジックな茅葺屋根が建ち並ぶ大内宿など、歴史的な建築物が数多く残されています。
伝統行事では、1000年以上の歴史を持つ相馬野馬追や、提灯で彩られた太鼓台が見どころの二本松提灯祭り、巨大わらじを担いで練り歩く福島わらじまつりなどが有名です。
食文化では全国有数の桃の産地として知られるほか、日本三大ラーメンの一つである喜多方ラーメンも人気です。
施設(買い物・医療・子育て)
福島県内には、生活に便利な施設が充実しています。買い物施設として、イオンモールいわき小名浜やイオンタウン郡山、エスパル福島などの大型商業施設があります。
医療施設は太田西ノ内病院、竹田綜合病院、福島県立医科大学附属病院といった総合病院が整備されており、安心して医療サービスを受けられる環境です。
その他、リトルプラネット MOLTI郡山や、プリンス・ウィリアムズ・パークの愛称で親しまれるスマイルキッズパーク、郡山市ふれあい科学館スペースパークなど、子どもが遊びながら学べる施設も揃っています。
福島県で注文住宅を建てる場合の費用相場
2024年度のフラット35利用者調査によると、福島県で土地付き注文住宅を購入する費用(土地代と建築費)は4,588万5,000円が相場です。以下では土地と建物に分けて、注文住宅を建てる際の費用相場を解説します。
土地の費用相場
土地付き注文住宅の土地取得費用は、全国平均が1,495万1,000円なのに対し、福島県平均は955万8,000円です。全国的には手頃な価格帯ですが、東北地方では宮城県に次ぐ水準となっています。
建築費相場
以下では、土地の有無に分けて建築費相場を解説します。これから土地を探す方は、土地取得費用と建築費の両方を含めた土地付き注文住宅のデータを参考にしましょう。
土地から購入する場合(土地付き注文住宅)
福島県の土地付き注文住宅の建築費相場を全国と比較しました。
| 敷地面積 | 延床面積 | 建築費 | |
|---|---|---|---|
| 福島県平均 | 305.1㎡ | 114.9㎡ | 3,632万7,000円 |
| 全国平均 | 251.2㎡ | 111.1㎡ | 3,512万円 |
福島県の土地付き注文住宅の敷地面積は、全国平均と比べて約50㎡広いですが、建築費はやや高めの傾向にあります。
既に土地を所有している場合(注文住宅)
次に、既に土地を所有している場合の建築費相場を全国と比較しました。
| 敷地面積 | 延床面積 | 建築費 | |
|---|---|---|---|
| 福島県平均 | 399.1㎡ | 120.1㎡ | 3,728万円 |
| 全国平均 | 329.7㎡ | 118.5㎡ | 3,932万1,000円 |
全国と比較して敷地面積、延床面積いずれも広い一方で、福島県の建築費は全国平均より200万円程度割安です。
注文住宅を建てるのにおすすめのエリア
福島県内で注文住宅を建てる際、どのエリアを選ぶかは重要なポイントです。以下では交通アクセスや生活の利便性、土地価格などの観点から特におすすめの6つのエリアを紹介します。
郡山市
郡山市は、福島県の中央に位置する人口約31万人の街です。鉄道では東北新幹線、高速道路では東北自動車道や磐越自動車道が通っており、県内外への移動がスムーズです。
駅周辺にはMOLTIやイオンタウン郡山などの商業施設が充実しており、日々の買い物に便利です。県内有数の桜の名所として知られる開成山公園や、遊園地とプールを備えた郡山カルチャーパークなど、家族で過ごせるスポットも揃っています。
中心部は都会的でありながら、少し郊外へ出れば田園風景が広がり、自然を身近に感じられます。都会と田舎のバランスが取れた暮らしやすい街といえるでしょう。住宅展示場については以下をご覧ください。
郡山北総合住宅公園
ハウジングパーク郡山
ハウジングパーク郡山南
【土地価格相場】
22万円/坪
福島市
県庁所在地である福島市は、県北部に位置する人口約27万人の街です。東北新幹線と在来線、私鉄が乗り入れる福島駅があり、隣県の仙台駅には約25分でアクセスできます。
東部には花見山公園という桜の名所があり、毎年多くの人が訪れます。また、市内には飯坂温泉・土湯温泉・高湯温泉の3つの温泉地があり、気軽に利用できる公衆浴場も充実しているため、日常的に温泉を楽しめます。
桃やさくらんぼ、りんごなどフルーツの栽培が盛んで、旬の果物を身近に味わえるのも魅力です。住宅展示場については以下をご覧ください。
【土地価格相場】
17万円/坪
二本松市
二本松市は、県中央北部に位置する人口約5万人の街です。福島市と郡山市まで車や電車で約30分という立地から、ベッドタウンとして人気があります。
かつて城下町として栄えた歴史があり、市内には二本松城跡をはじめとする史跡や文化財が数多く残されています。日本百名山の一つである安達太良山や、そのふもとに広がる岳温泉は県内外から観光客を集める人気スポットです。秋には二本松の菊人形や二本松の提灯祭りが開催され、多くの人で賑わいます。
【土地価格相場】
7.5万円/坪
本宮市
本宮市は、県のほぼ中央に位置する人口約3万人の街です。市内には本宮インターチェンジがあり、東北道と磐越道が交差する郡山ジャンクションに近いため物流にも優れ、県を代表する工業都市としても発展しています。屋内外の遊び場があるプリンス・ウィリアムズ・パークや、イルミネーションが美しいみずいろ公園など、家族で楽しめる施設も充実しています。
東洋経済新報社の「住みよさランキング2025」では福島県内1位に輝き、全国でも86位にランクインしました。14歳以下の子どもの割合が県内最高で、子育て世帯を中心に転入者が増え続けている暮らしやすいエリアといえるでしょう。
【土地価格相場】
8.7万円/坪
須賀川市
須賀川市は、福島県の中央よりやや南に位置する人口約7万人の街です。JR東北本線で郡山駅まで約12分というアクセスのよさから、郡山市のベッドタウンとしても発展しています。東北自動車道の須賀川インターチェンジがあり、福島空港も立地するなど、県内でも高速交通網に恵まれたエリアです。
特撮の神様と称される円谷英二監督の出身地として知られ、2013年にはウルトラマンの故郷「M78星雲 光の国」と姉妹都市提携を結びました。市内には円谷英二ミュージアムや須賀川特撮アーカイブセンターなどがあり、ウルトラマンを活かしたまちづくりを展開しています。
【土地価格相場】
11.4万円/坪
伊達市
伊達市は福島県北部に位置する人口約5万人の街で、福島市の北東に隣接しています。阿武隈急行で福島駅まで約20分、東京へも新幹線で約2時間とアクセス良好です。東北中央自動車道の開通により伊達市周辺に5つのインターチェンジが整備され、さらに利便性が高まりました。
阿武隈川が流れる盆地特有の地形は果樹栽培に最適で、桃は全国有数の収穫量を誇ります。ほかにも、あんぽ柿やぶどう、りんごなどの果物栽培も盛んです。「健幸都市」の実現を目指し、市民が健康に暮らせる取り組みが推進されています。
【土地価格相場】
12.1万円/坪
福島県で注文住宅を建てるときに役立つ補助金情報
ここからは、福島県で注文住宅を建てるときに役立つ補助金情報を解説します。注文住宅を建てるには高額な費用が発生します。建築費の負担を軽減し、理想のマイホームを建てましょう。
国が実施する補助金情報
以下では、国が実施する補助金情報を3つ紹介します。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、主に子育て世帯などが新築・リフォームを行う際に、住宅の省エネ性能に応じて支援する事業です。
住宅はGX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅のいずれかに該当する必要がありますが、GX志向型住宅は予算上限に達し受付を終了しています(2025年12月2日現在)。1戸あたりを新築する際の補助額は、長期優良住宅が80万円で、ZEH水準住宅が40万円です。古家の除却が伴う場合は20万円が加算されます。
ただし、一般消費者が直接補助金を申請できない点には注意しましょう。本事業に登録した「住宅省エネ支援事業者」を通じて手続きを進める必要があります。また、本事業の申請期間は2025年12月31日までです。GX志向型住宅については予算上限に達したため、既に受付を終了しています。長期優良住宅・ZEH水準住宅の予算に対する申請額は2025年11月11日時点で50%に達しているため、利用を検討している方は早めに申し込むようにしましょう。
2026年度は、本事業の後継制度として「みらいエコ住宅2026事業」が創設されました。省エネ支援の方向性を引き継ぎつつ、補助対象や補助額等が見直されて実施する予定です。
給湯省エネ2025事業
給湯省エネ2025事業は、住宅所有者が給湯省エネ事業者と契約し、エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファームなどの一定の性能を満たす高効率給湯器を導入する際に補助する事業です。
適用条件は、対象機器を導入する住宅の所有者等であることと、登録事業者との契約締結です。導入機器1台あたりの補助額は、エコキュートが6万円、ハイブリッド給湯機が8万円、エネファームが16万円などと、機器に応じて定額補助されます。なお、2025年12月5日時点で予算額96%まで到達しているため、申請を行う方は早めに手続きを進めましょう。
戸建住宅ZEH化等支援事業
戸建住宅ZEH化等支援事業は、年間の一次エネルギー消費量を正味ゼロとするZEH、または自家消費拡大を目指すZEH+となる戸建住宅について、新築または購入を支援する事業です。
1戸あたりの補助額は、ZEHが55万円、ZEH+が90万円です。さらに、蓄電システムを導入する場合は、1戸あたり最大20万円の加算補助が受けられます。なお、申請する際はSIIが運営するZEHポータルでの電子申請が必須です。
福島県が実施する補助金情報
次に、福島県が独自で実施する補助金について紹介します。国の補助金と併せて以下も検討してみましょう。
福島県多世代同居・近居推進事業
福島県多世代同居・近居推進事業は、世代間の支え合いを目的に、新たに多世代で同居・近居を始める際の住宅取得等に補助金を交付する事業です。18歳未満の子どもがいる三世代以上の世帯が対象で、近居の場合は敷地間おおむね2km以内であることが条件となります。
補助額は最大40万円で、住宅取得等に係る経費の2分の1と比較して低い額が交付されます。なお、既に多世代で同居・近居している場合は対象外です。2025年度の募集は既に終了しています。
ふくしまの未来を育む森と住まいのポイント事業
ふくしまの未来を育む森と住まいのポイント事業は、福島県産の木材を使用した木造住宅の建築に対し、県産品や商品券と交換できるポイントを交付する事業です。申請の対象は、施工者の主たる営業所が県内にあり、令和7年4月1日以降に完成した建築主が自ら居住する県内の住宅です。
ポイント数は、県産木材の使用量に応じて最大50万ポイントが交付されます(1ポイント1円相当)。所定量の半分以上が森林認証材である場合、さらに10万ポイントが加算されます。
来て ふくしま 住宅取得支援事業
来て ふくしま 住宅取得支援事業は、人口減少対策と地域創生を図るための事業です。対象となるのは、自ら居住する住宅を取得し、県外から移住して住民票を異動したうえで3年以上定住する方です。
補助額は住宅取得費の2分の1、または「市町村補助金+県補助金」の合計額のいずれか低い方となります。市町村補助金は、地域によって額が異なります。県補助金は基本額(市町村補助額と同額で最大70万円)と、加算額(地域活性化要件に応じて最大30万円)で構成されます。
ふくしまZEH(F-ZEH)推進事業補助金
ふくしまZEH推進事業補助金は、福島県内で通常のZEHより高性能なF-ZEH/F-ZEH+を新築・購入する方を支援する事業です。特に、県産材の利用(10m³以上)や木質バイオマスストーブ導入など、本県ならではの特性を含むことが申請の必須条件となります。
補助額はF-ZEHが135万円で、F-ZEH+が180万円です。なお、募集戸数は7戸程度のため、申請の際は早めの行動が推奨されます。
福島県住宅用太陽光発電設備等導入支援補助金
福島県は、県内での再生可能エネルギー普及推進を目的に、住宅用太陽光発電設備等の導入を支援する補助金も導入しています。県内に所在する住居に、補助対象システムを設置する方が対象となります。
補助額は、太陽光発電システムが4万円/kW(上限16万円)、蓄電池システムが4万円/kWh(上限20万円)、V2Hシステムが定額10万円です。申請の際は、原則としてふくしま太陽光J-クレジットクラブへの入会が必要です。
福島県で注文住宅を建てて生活の利便性を高めた暮らしを叶えよう
福島県は、ほどよい利便性がありながら豊かな自然環境に恵まれ、東京からのアクセスも良好です。エリア選びに加えて国や県・市町村の補助金も活用することで、費用負担を抑えつつ理想の住まいづくりを進められるでしょう。
家サイトでは、全国各地の住宅展示場を簡単に検索できます。福島県で注文住宅を建てたいとお考えの方は、ぜひ住宅展示場に足を運んでみてください。
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