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家づくり最新コラム

【第77回】色とりどりのデザインタイルで空間に遊び心をプラス

ここ数年、空間を美しく彩る素材として注目を集めてきたタイル。今回は、ますます多様化してきたタイルの魅力と空間への取り入れ方などをご紹介します。

【1】 最新タイルトレンド

 タイルは主に壁や床に貼る建築用資材。素材は土や石を主原料としたものから、ガラスや金属、樹脂などを用いたものもあり、その形も正方形から長方形、多角形と実にさまざまです。さらに焼成方法や釉薬の有無によって風合いや色・質感などに違いがあり、そのバリエーションの豊富さも魅力のひとつです。

提供元:名古屋モザイク工業 品名:マヨリカモデルナ

防水性、防火性、耐久性に優れたタイルは、清掃性も高く、メンテナンスも容易なことから、日本の住宅にはなじみ深い建築用資材として重宝されてきました。また、その機能性だけでなく、デザインの観点から選ばれる方も多く、最近は長方形のサブウェイタイルや、六角形や平行四辺形などの多角形タイルが好まれており、カラーはファッションの世界でもトレンドである「グレージュ」が人気です。

提供元:名古屋モザイク工業 (品名左:ビストロイタリア、右:メトロポリタン)

多角形タイルは空間にリズム感を与えますし、彩度を落とした優しい色合いの「グレージュ」のタイルはナチュラルテイストや北欧テイストのインテリアにも相性抜群。さらに、異素材を組み合わせたタイルやハンドメイドのような色ムラのあるタイルもインテリアにこだわりを持つ方たちから支持されています。

【2】 水まわりだけではない!リビングや玄関もタイルで装飾

 これまでは耐久性や耐水性の高さから主に水まわりに用いられることが多かったタイルですが、最近はそのデザイン性やバリエーションの豊富さから、リビングや玄関、寝室などに用いられることも増えてきました。

提供元:株式会社LIXIL エコカラットプラスカタログ 品名上:ガラスプラン キャンディーカラー、下:タイルプラン アンティーク

たとえば、昨今のアート人気を受け、壁面の一部にアーティスティックなタイルを貼って空間のアクセントにしたり、サイズ違い、色違いのタイルをバランスよく組み合わせて空間に遊び心を加えたりと、タイルはスタイルを決める重要なファクターになってきています。

提供元:名古屋モザイク工業 品名:セメンティング

また、木材フローリングよりも汚れや傷みに強く、手入れがしやすいことから、床材に大判タイルを使用するケースも増えています。表面加工やプリント技術の向上により、さまざまなテクスチャーを持つタイルが登場してきたことも選ばれる理由の一つといえるでしょう。より個性を重視した住まいづくりを希望される方には特におすすめです。なお、タイルは熱伝導にも優れているため、リビングなどで床暖房と併用すれば冬でも快適に過ごせます。

【3】 素敵!タイル・コーディネート術

 モザイクタイルや正方形のタイルは可愛らしい印象に、長方形や大きめのタイルは重厚感のあるモダンな印象に仕上がります。タイル・コーディネートは、貼る面積や場所、空間全体のバランスをみて選ぶことが何よりも大切です。

提供元:株式会社LIXIL エコカラットプラスカタログ 品名上:ビンテージオーク、下:カームウッド

たとえば、対面キッチンやアイランドキッチンなどのLDKは、空間が広いため単調な印象になりがちですが、部分的にでもタイルを貼ると空間にリズムが生まれて印象も大きく変わってきます。その際は単色タイルを組み合わせて空間全体のトーンを合わせてもいいですし、色ムラや異素材のタイルを組み合わせても、アーティスティックなタイルを用いて遊び心ある空間を演出してもいいでしょう。

提供元:名古屋モザイク工業 品名:ボーンコレクション

キッチン単体で考えるならば、木目調のキッチンにはナチュラルテイストのタイルを、ステンレスキッチンには光沢のあるガラスタイルを合わせると双方が引き立ちます。汚れが気になる方は、表面に光沢のあるタイルなら汚れも取りやすいのでキッチンには最適です。

リビングやダイニング、寝室などに貼る場合は、結露やカビ、ダニなどの発生を抑える湿度調整可能なタイルがおすすめ。小さなお子様や年配の方のお部屋や、ペットがいる部屋にはぴったりです。 最近はカラフルな壁紙を使う方も増えていますので、同系色のタイルを取り入れて統一感を持たせたり、異なる色合いのタイルを組み合わせて個性を発揮してもいいでしょう。

今やタイルは陶磁器製だけでなく、ガラスや石材、木の組み合わせなど素材のバリエーションも多岐にわたります。選ぶときは必ず実物を見て判断することです。住宅展示場などで気になるタイルを見つけたら、実際の色味や照明があたった時の印象、素材感などをきちんとチェックしましょう。最近はカラーのタイル目地も増えてきているので、タイルと上手に組み合わせることで、より個性的な空間に仕上げることもできます。またさまざまな機能性を持つ付加価値付きのタイルは、十分に説明を聞いたうえで適材適所に選びましょう。

カフェ風インテリアブームもあり、店舗などの商業施設と住宅のインテリアにおける境界線は曖昧になってきた今、よりおしゃれで個性的に、そして居心地よく暮らすためにタイルは最適な建築用資材です。

住宅展示場のモデルハウスでは、そんなタイルを使用した空間演出が多く見られます。それぞれに適した場所に貼ることが大前提ですが、色・柄・形はもちろん、付加価値を持った機能性なども考慮した、タイル使いの秘訣をぜひ住宅展示場で探してみてください。


取材協力:名古屋モザイク工業


監修・情報提供:フリーライター 石倉 夏枝
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本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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