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家づくり最新コラム

【第11回】建てる前に知ってお得!素敵なキッチンの選び方

住宅展示場に行くと気になるのはシステムキッチン。大半のハウスメーカーは、日本製のシステムキッチンを採用しています。家族のゆとりの時間を大切にする人が増え、料理や後片付けにかける時間が短くなるように工夫されたものが大半で、その魅力は年々進化しています。ここではキッチン選びのポイントや、最新のトレンドキッチンをご紹介しましょう。

【1】日本のシステムキッチンは‘家事楽’志向

1. 日本の料理習慣や家事に即した機能を持つ

 炒めたり、揚げたりと加熱調理の種類も多い日本の調理習慣に即したガスコンロやIHクッキングヒーターなどを完備。野菜の下洗いなど水仕事も広くて排水がスムーズなシンクで楽々作業。

2. 省エネ性、お手入れのしやすさが発達

 拭くだけで汚れの落ちるワークトップ。汚れのたまりにくい排水溝やシンク、油汚れが落としやすいレンジフード、自然に節水できる水栓など、日々使う場所のお手入れが考え抜かれています。

3. スペースを効率よく使った収納

 どうしても広さが限られがちな日本のキッチン。シンク前のアイレベル収納や、キャビネットの奥までスペースが使える大型引き出しなど、空間を無駄なく使う工夫が随所に。

4. コストバランスがよく、納期も短い。アフターケアも迅速

 全国展開しているメーカーが大半で、ショールームで実物を確かめられる。プランやパース、見積もりを出せるシステムを持ち、訪ねた当日に見積もりが出せることも。コスト調整もしやすい。

【2】キッチンを選ぶときに、整理しておきたいポイントは?

対話で選ぶか、動きやすさで選ぶか

 家族が一緒にいることが実感できるのが対面型やオープン型のキッチン。家族と一緒に食事を作ったり、食べたりするのが第一希望の方におすすめです。一方、調理に専念したい人に最適なのが、クローズドタイプのキッチン。実際、一人で作業する時の導線が最小限になるため料理好きの人に根強い人気があります。

つくる料理の種類

 最近は家で作るご飯はいわゆる「3食」だけではありません。子どものおやつ、塾弁、部活弁。帰宅の遅い夫の夜食やおつまみ。ママ友とのお家ランチやティータイム。そして週末のホームパーティ、季節の行事…家で食事を用意するさまざまなシーンを想定してみましょう。

しまうもの、使うもの

 今あるものを全部いれようとしないことが肝心。新築、リフォームは持っているものを見直す好機です。普段使いの食器と、おもてなしの食器。季節ごとのしつらえなど、用途別に分けて適した収納量を。ガスコンロやIHクッキングヒーターの機能によっては、不要になる家電も出てくるかもしれません。収納を増やせば増やすほど、キッチンプランは大きくなり、思わぬコストアップにつながりかねません。

【3】目的別 今どきシステムキッチンの最新機能

水を使って作業する

見た目がきれいな人工大理石製

写真:トクラスキッチン「ベリー」

 人工大理石とワークトップがつながったシンクも多くのメーカーで登場しています。汚れが落としやすく、写真のように色付きを選べば、インテリアでも美しく映えるのが特徴。

写真:トクラスキッチン「ベリー」

 

制音機能付きも出たステンレス製

写真:クリナップ「クリンレディ」サイレントシンク

 一番なじみ深いシンクの材料がステンレスでしょう。多くのメーカーでは裏に制音材を張って、流水の水はね音が出にくくなっています。オープンキッチンでも水音を気にしなくてすみます。

写真:クリナップ「クリンレディ」サイレントシンク

 

排水口に工夫が! ゴミがさっと流れる

写真:リクシル/サンウエーブ くるりん排水口

 渦巻き状の水流で排水口内部の汚れを洗浄。水流の力で、使うたびに中でフィンが回り、汚れを落とします。

写真:リクシル/サンウエーブ くるりん排水口

 

節水型のエコ水栓が標準に

写真:TOTO 水ほうき水栓

 多くのメーカーでは水栓にエコ機能を装備。少ない水量で効率よく作業できるように散水口を工夫するなど(写真は細い水栓から広げるように散水)、キッチンでの水の使い過ぎを防ぎます。お湯と水の出る混合栓では、レバーの回し過ぎで必要のないお湯が出るという無駄を防ぐ水栓を出すメーカーも。

写真:TOTO 水ほうき水栓

 

タッチレスで作業効率アップ

写真:TOTO センサー付き水栓

 レバーに触れることなく、センサーで水栓の開閉ができるタッチレス水栓も登場。手が濡れている、ふさがっているときも手をかざすだけで、水栓の開閉ができます。

写真:TOTO センサー付き水栓

 

料理する

IHクッキングヒーターの利点は?

写真:パナソニック「リビングステーション」専用IHクッキングヒーター

 直火が出ず、磁力で鍋そのものを発熱させるため、安全で熱効率がいいのが特徴。そして何よりフラットなので、拭くだけでいいというお手入れのしやすさがうれしいですね。写真のように3口横並びで、流れ作業がしやすいものもあります。

写真:パナソニック「リビングステーション」専用IHクッキングヒーター

 

ガスコンロはお手入れしやすく安全に

 ガスコンロはゴトクが細く、軽くなり、さっと外して天板を拭きやすくなり、お手入れのしやすさが格段に向上しています。また全口に安全センサーが付いたり、揚げ油の過熱防止機能など、安全面も強化。湯沸かしや炊飯、焼き魚など調理の自動機能も増え、多機能化が進んでいます。

おいしさを引き出すグリル部に注目

 ガスコンロもIH クッキングヒーターもグリル部に注目。多くのメーカーが庫内をワイド化。サンマなら5匹並ぶサイズが標準です。トーストを焼いたり、揚げ物の温め直し、焼き野菜などもでき、料理の種類が多様化しています。専用のパン焼き鍋をつけるところや、ガスコンロは別売りで写真のようなミニダッチオーブンが使えたり、グリルを活用すれば食卓がもっと楽しくなります。

 

片付ける、しまう

食器洗い機は45㎝が主流

 国産のシステムキッチンで標準装備されているのが、幅45㎝の食器洗い機。多くは引き出しタイプで、庫内のバスケットに食器をセット。中で散水スプレーが回って汚れを落とします。1回の運転時間は約90分。家族4人分の食器が一度に洗えます。
 最近は前開き式の扉で、シンクの脇に置いた洗いカゴをそのままセットできるものも登場しています(写真下)。

食器洗い機は45㎝が主流

写真:パナソニック「幅45㎝ ビルトイン食器洗い機」

 

収納は大きな引き出し型が主流に

写真:サンウエーブ/リクシル らくぱっと収納

 観音開きの扉のキッチンキャビネットから、大型引き出しが主流の時代へ。キッチン収納は大きく変化しています。その利点は、内部がたくさんのインナードロワー(内引き出し)に分かれ、鍋やざるからツールまでが一目で見渡せることや、閉めたときの見た目がすっきりすることです。

写真:サンウエーブ/リクシル らくぱっと収納

 

目の高さのスペースを活用する

 シンクの前の目の高さの位置。こんなコンパクトな棚があれば便利。ふきんや調味料、洗いものの仮置きなど、さっと手を伸ばせるから手間が軽減されます。

写真:トラストキッチン「ベリー」

 

注目はパントリースタイル

写真:リクシル/サンウエーブ「リシェル」

 空間の一部を引き戸で仕切るような感覚…そんなパントリースタイルの収納も人気です。システムキッチンを活用する他に、設計の時点でキッチンと動線のつながる小部屋や納戸を設けてパントリーとするのもいいでしょう。

写真:リクシル/サンウエーブ「リシェル」

 

 

監修・情報提供:本間美紀(キッチンジャーナリスト)
© 2014 Next Eyes.co.Ltd
本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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