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【第31回】消費税8%で購入できるのはあと1年!? 今が建てドキの理由 第一弾

2017年4月に予定されている消費税10%への増税。今は2015年11月ですからまだ1年以上先の話です。しかし!!注文住宅を建てたいと考えている場合、事情は少し違います。

実は消費税8%のうちに家を建てるには…タイムリミットはあと1年もないのです。

 今号はまず消費税増税のスケジュールの話から始め、特集号では、3回にわたり、「今、住宅は建てどき」と言われている理由についてみていきましょう!

【1】「消費税8%で購入するにはあと1年」の理由

 消費税率10%への増税は2017年4月に予定されています。8%が適用されるのか、10%が適用されるのかは、注文住宅の場合「引渡し」がいつかで判断されます。原則として引渡しが2017年3月31日までであれば消費税率は8%、4月1日以降であれば10%になります。

 2017年4月以降に引渡しを受けると消費税率は10%になるというのが原則ですが、例外もあります。それは「引渡しが2017年4月以降でも、建築請負契約を2016年9月30日までに結んでおけば消費税率は8%が適用される」というルール。増税直前の駆け込み需要の発生を緩和させるために、また、納期が遅れて不本意に消費税が上がってしまうトラブルを避けるために作られました。

 消費税8%のうちに住宅を建てるには、2016年9月30日までに契約を結んでおくことが確実な方法と言えます。それを考えると「残された時間は実はあと1年しかない」ということになります。

【2】2016年上昇傾向の「住宅ローン金利」

 住宅という大きな買い物では、消費税増税の与える影響は大きくなります。例えば建物価格が3,000万円だとすると、消費税率8%の場合の負担は240万円ですが、10%に増税されると300万円となり、60万円分負担が増えます。
 しかし、実は消費税増税よりももっと住宅購入に影響を与えるものがあります。それは「住宅ローンの金利」。多くの人は住宅ローンを組んで住宅購入を行うはずですが、住宅ローンで借りる金額が大きくなると金利が少し上昇するだけで総返済額に大きな差が出ます。例えば3,000万円、35年返済(元利均等返済)と仮定した場合、金利による返済額の差は以下のようになります。

 表の「総返済額」を見ていただきたいのですが、金利が0.5%上昇するだけで総返済額に300万円以上の差が出てくることが分かるかと思います。住宅ローンの金額や返済年数等によってこの差は変わりますが、いずれにせよ金利が少し上がるだけで、総返済額に数百万円の違いが生まれます。金利が低いうちに住宅ローンを組むということは、住宅購入にとってとても有利なことなのです。
 下のグラフは、フラット35と呼ばれる住宅ローンの金利の過去5年間の推移を見たものです。

※フラット35は金融機関によって金利は異なるが、その中で最低金利を抽出、グラフ化した

 グラフを見てわかる通り、住宅ローン金利はここのところ低下傾向にあります。しかし2015年になってからは2月に過去最低金利をつけて以降、少し上昇傾向が見られると言うこともできます。今後金利が上昇するのか、再度下落していくのか予測は難しいですが、少なくとも現在の金利は過去よりもかなり低い水準にある、というのは確か。「今、住宅は建てどき」とよく言われますが、その理由の1つがこの「住宅ローン金利の低さ」にあるのです。

【3】フラット35Sの金利引き下げ幅拡大が終了

 上では住宅ローン金利の例として「フラット35」の金利を見ました。フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関とが提携して提供する固定金利型の住宅ローンです。フラット35は一定の条件を満たすとお得な制度があります。「フラット35S」と呼ばれるものですが、耐震性、省エネルギー性、耐久性・可変性、バリアフリー性のいずれかで一定の基準を満たす住宅を購入する際にフラット35を使うと一定期間、金利の優遇が受けられます。
 具体的にはフラット35Sの「Aプラン」では10年間、金利が0.6%下がります。フラット35Sの「Bプラン」では5年間、金利が0.6%下がります(なお、住宅展示場に出展しているハウスメーカーで注文住宅を建てる場合の多くは、フラット35Sの「Aプラン」が適用できます)。

 この優遇は2016年1月29日までの申込に限り適用されます(決められた予算金額に達し次第、早期終了の可能性もあります)。それ以降は金利の優遇幅が0.3%になります(元々0.3%の優遇だったものが、2016年1月31日までは特別に0.6%に優遇幅が拡大している、とお考えください)。

さて次に、このフラット35Sを使うとどれくらい住宅購入に有利になるかを計算してみます。3,000万円、35年返済、フラット35の金利が1.59%(2015年10月のフラット35の最低金利は1.59%です)の時に、フラット35SのAプランを利用する場合を考えます。
 フラット35Sを使わず普通のフラット35を使う場合、下表のように35年の総返済額は39,136,943円となります。一方、フラット35Sを使って金利が10年間0.6%引き下げられると、総返済額は37,379,518円となり、約175万円の得になります。また、金利引き下げ幅が0.3%の時と、引き下げ幅が0.6%の今とを比べると、約87万円の得になります。フラット35Sの0.6%の金利優遇の効果がお分かりいただけるのではないでしょうか。

 今回は、消費税増税スケジュールと合わせて「今が建てどき」と言われる理由の2つ「住宅ローンの金利の低さ」と「フラット35Sの金利引き下げ幅の優遇」について解説しました。今が建て時と言われる理由は今回紹介した2つ以外にもあるので、次回はそれらについて解説します。お楽しみに。

 

監修・情報提供:株式会社FPアルトゥル 代表取締役
ファイナンシャルプランナーCFP® 井上光章
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本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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