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家づくり最新コラム

【第7回】太陽光を賢く利用!『スマートハウス』とは?

2011年に大手ハウスメーカーを中心に次々と商品化された『スマートハウス』、低炭素社会の実現に向けた次世代住宅として注目されています。また「省エネ住宅」は国土交通省が建築物すべてに省エネルギー基準を義務付け2020年に完全実施を目指しており、新常識となりつつあります。新しい分野で分かりづらい点もあると思いますので、1つづつ学びましょう。

【1】スマートハウスの基礎知識

スマートハウスとは?

 スマートハウスとは、エネルギーを創り、蓄え、エネルギー消費が最先端のIT技術などによって最適な状態にコントロールされた住宅のこと。
 言いかえると、家によってライフラインの自立を目指し、クリーンなエネルギーで快適に暮らせる賢い家がスマートハウスです。

スマートハウスが出来ること

 スマートハウスでは、太陽光発電システムや、家庭用燃料電池「エネファーム」などによってエネルギーを創り、蓄電池を使って、太陽光発電で創った電力や深夜電力を蓄え、断熱性能を上げたり、省エネ家電を利用して上手にエネルギー消費を省き、これらを『HEMS』(ホームエネルギーマネジメントシステム)によってエネルギーの見える化や制御をします。(図1参照)

スマートハウスの良い点と気になる点

【良い点】
  • ・電気の使用量が一目で分かるので節電に繋がる
  • ・震災などで停電になった際に蓄電池等で補える
  • ・クリーンエネルギーの創出に役立つ
【気になる点】
  • ・設備機器等のイニシャルコストがかかる
  • ・設備機器等に寿命があり、保証などのアフターメンテナンスについて
  • ・導入されて間もないので実績などが少なく、技術も発展途中である
【図1】スマートハウスのしくみ

【2】太陽光発電の仕組み

太陽光発電とは

 太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを家庭で使用できる電気に変換するものです。太陽電池に太陽などの光が当たると、電気を発生させるしくみですが、自宅で使うのはもちろんのこと、余った電気は電力会社に売ることも可能です。通常、電気は昼間の需要が高く、深夜は需要が低くなります。日中の余った電気は電力会社に高く売ることができ、深夜は安い深夜電力で買うこともできます。また、電気の売り買いに関する面倒な計算は、全て自動的にしてくれて、発電状況も随時画面で確認できます。どれくらい節約できているか、どれくらい電気が売れたか数字で見られると、家族のエコ意識もさらに高まります。

【図2】太陽光発電の仕組み

太陽光発電の種類と動向

 太陽電池は使う素材によって特性が違います。大きく分けると「シリコン系」と「化合物系」です。現在の主流は「多結晶シリコン」ですが、今後は「単結晶シリコン」や 「化合物系」の中でも、量産性が高くデザイン性に優れている「CIS系」と呼ばれるものが注目されています。

【図3】太陽光発電の種類

太陽光発電システム選びのポイント

 数ある太陽光発電システムの選び方のポイントは、主に、価格、発電量、形状、アフターサービスです。最近では、複雑な屋根形状に対応できるようなパネルや、曇りの日でも発電ができるものなどがあります。
 また、アフターサービスについては、自然災害などにも対応するメーカーや、モニタリングシステムを導入しているメーカーなど、実績がまだまだ少ないシステムだけに、しっかりと保証されているかもポイントです。
 また、パネルは建築物上重要な屋根との取り合いがある為、施工がいい加減だと雨漏りの原因となります。材工一貫で責任の区分がしっかりできるようにしましょう。

【図4】曇りや影でも発電量が落ちにくいCIS系のしくみ

【3】気になる助成金について

 今後、補助金関係、売電買取価格は、設備機器の低額化に伴い、縮小傾向にありますが、まだまだ様々な補助金がありますので賢く利用されることをお勧めします。2015年度以降の補助金については、来春ごろ各普及協会のホームページ上で発表されます。

太陽光発電の補助金は国と自治体から

【応募期間】
2014年3月31日まで
【補助金額】
1kwあたりのシステム価格が50万円以下の物⇒15,000円/kw
1kwあたりのシステム価格が41万円以下の物⇒20,000円/kw

●詳しくはJ-PEC(太陽光発電普及拡大センター)のホームページでご確認ください。
http://www.j-pec.or.jp/

●郵便番行入力で「国+都道府県+市町村」の金額が出ます。
http://kakaku.com/taiyoukou/subsidy/

家庭用燃料電池(エネファーム)の補助金も国と自治体から

【応募期間】
2014年2月28日まで
【補助金額】
【(補助金対象機器費-23万)×1/2+対象工事費の1/2】上限額は45万円

●詳しくは、FCA(燃料電池普及促進協会)のホームページでご確認ください。
http://www.fca-enefarm.org/

売電価格について

売電価格は「再生可能エネルギー特別措置法」により毎年度ごとに審議され決まります。

2013年度 10kw以下買取金額 38円/1kwh

  • ・ダブル発電(太陽光とエネファーム)の場合、31円/1kwh
  • ・導入時期の価格単価で10年固定(10kw未満)
  • ・住宅でも10kw以上の場合は全量買取り制度適用 37.8円/1kwh 20年固定(補助金は無)
  • ・買取り分は、国民が付加金(サーチャージ)というかたちで負担

導入の順番としては、省エネ⇒創エネ⇒畜エネの順番がお勧めです。
住宅展示場でも、各ハウスメーカーの『スマートハウス』がご覧いただけます。
それぞれのご家庭にあった取り入れ方をご検討してください。

 

監修・情報提供:一級建築士 吉田美帆
© 2013 Next Eyes.co.Ltd
本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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