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【第106回】 生活しやすさが魅力の平屋! 快適な間取りのポイント。

広々とした庭と澄み渡った空に囲まれた空間で暮らしたい。そんな暮らし方を実現しやすい住宅がズバリ「平屋」です。家に入ればワンフロアで完結し、家族の気配を感じながらゆったりと暮らす。今回はそんな平屋の魅力を存分に引き出す家づくりのポイントをお伝えします。



<INDEX>

【1】平屋の特徴
【2】平屋に必要な広さは?限られた広さで気をつけるポイント
【3】快適な平屋にするための間取りのポイント

【1】平屋の特徴

今話題の平屋住宅。2階、3階建の住宅と比べて大きな特徴は以下の5点です。

1.家族との距離が近づく
2.広々とした雰囲気を感じられる
3.建物内での移動が楽
4.台風・地震に強い
5.光熱費が抑えられる



1.家族との距離が近づく
平屋で多いのは、廊下の少ない間取りです。通常の2階建などに比べて広い土地に建てる事が多く階段もないので、その分を居室に使えます。そうすると玄関ホールを抜けて、リビングを中心とした間取りも計画しやすく、家族とのコミュニケーションがとりやすくなります。その際は、リビングに隣接する空間はしっかり配慮しましょう。例えば、隣が寝室となるケースの場合、ご夫婦間で生活のリズムが違うと、暮らしにくさを感じてしまうことも。お互いの生活リズムが尊重できるようにする工夫が必要です。


2.広々とした雰囲気を感じられる
比較的広い土地に建てる事が多いため「開放感」も期待できます。そんな平屋にするためには、天井を高くして、太陽の光が差し込む明るい部屋にすることが重要です。



平屋の場合は、部屋の天井の上には屋根がある訳ですが、その屋根の勾配を生かした勾配天井や、トップライト(天窓)などを設置することで、実際の部屋面積よりも広く感じられるようになります。また、部屋から庭など外とのつながりも作りやすいのが特徴です。ウッドデッキや土間を空間のつなぎとして作ることで、視線の抜け感や移動のしやすさなども相まって、内と外の境界線がなくなるような空間構成を演出できます。


3.バリアフリーと安全性
ワンフロアで生活できるため、バリアフリー住宅のように一度玄関を上ったら段差がない空間も平屋であれば可能です。家庭内での事故原因の1つに階段があります。階段のような段差がなければ、つまずくリスクも少なくなりますので、より室内の安全性が高まります。


4.台風・地震への耐久性に強い
台風などの強風の場合、高さのある建物の方があおられるリスクが高まります。建物自体の高さが低い平屋は、このようなリスクに比較的強い作りの住宅と言えるでしょう。地震に耐える耐震性についても同様で、建物の階数が増えると全体の重量も加算されます。建物は重いほど大きく揺れる傾向にあるため耐震性を考えた時に、トータルの重量の少ない平屋は、軽い揺れで済むため建物自体への負担を軽減できると言えます。
もちろん平屋であっても2階建以上の建物であっても、耐震構造をしっかり検討しなければ倒壊する危険性は高まりますので、計画の際は注意しましょう。


5.光熱費が抑えられる
平屋では、廊下や階段と言った移動空間が最小限になっている間取りが多く見られます。
部屋の冷暖房効率の観点では、そのような移動空間は、空調ロスの原因になります。家全体を断熱することも大切ですが、廊下や階段での空調ロスを最小限に抑えることで、光熱費を抑えた住まいにできるでしょう。


【2】平屋に必要な広さは?限られた広さで気をつけるポイント

では実際に平屋を計画する場合、どのくらいの広さが必要でしょうか?

例えば、ご夫婦と子供の3人家族で住まいを計画するとします。寝室+子供部屋+LDK+水回り(トイレ、お風呂など)を設置すると2LDKの間取りになります。
必要な建物の広さは希望によっても変わりますが、平均的な広さで計算すると70〜90㎡ぐらいで計画できるかと思います。平均的な広さの目安としては、8帖の部屋=4坪=13.2 ですので18坪〜24坪ほどが建坪の大きさになります。平屋が適している閑静な住宅街の場合には、建ペイ率が40%〜50%になるケースが多いので、140〜220 程の土地の広さが必要という事です。

上記はあくまで参考として、必要な部屋の広さをご家族と相談しながら間取りを検討しましょう。また、どんな広さの平屋であっても、充分考慮して計画いただきたいのが「プライバシー」と「収納スペース」です。



・道路からの視線、距離等プライバシーに注意
地面(道路)と同じレベルに居室があるため、道路などの外部からの視線が気になるのが平屋のデメリット。さらに、防犯対策として死角が生まれないよう外構計画にも工夫が必要です。
具体的には、敷地内の見通しが悪くならないような塀や植栽などを置くことや、夜間でも点灯する常夜灯を設置するなどおすすめします。

・収納スペースを上手に確保する
部屋の広さだけを優先すると、必要な物を収納するスペースが小さく、結果として物が溢れることになり、せっかく広い部屋を計画しても使えるスペースが限られてしまうなんてことも。
部屋の広さを最大限に利用する方法として、階数に算入されないロフトや半地下収納などが効果的です(条件として天井の高さを最大でも1.4m以下に抑える等の決まりがあります)。有効的に部屋のスペースを使えるため、クローゼットなどの収納以外にも、検討すると良いでしょう。


 

【3】快適な平屋にするための間取りのポイント

平屋の間取りを考える上で、快適にするポイントは4つあります。



1.家事動線
日頃の家事動線を短くするためには、キッチンと水回り空間の近さがポイントです。廊下が少ない平屋の特徴を活かすことで、リビング・キッチンを中心とした間取りを実現できます。
例えば 浴室→洗面所→キッチンと空間をつなげ、キッチン→庭に出て物干しができるような間取りであれば、移動も最小限になります。さらに、庭→収納が近ければ取り込む時も便利です。近年は室内干しのご家庭も多いので、洗面所とファミリークローゼットなどの収納を近づけて、洗面所→クローゼット→寝室という流れもぜひ取り入れたい動線です。


2.遮音対策
寝室は遮音対策をしっかりとするのがポイントです。平屋の部屋の間取りでは、リビングと寝室が壁越しになるような計画も珍しくありません。家族内で生活のリズムが異なる場合、テレビの音や扉の開閉音など生活音が気になるケースが出てきます。生活パターンが異なるご家族は、思い切って夫婦別々に寝室を区切る間取りも良いかもしれません。お互いにそれぞれの生活リズムを尊重できるような遮音対策や間取りを検討してみてください。


3.断熱性
平屋の場合は、部屋の上下が外部空間になります。つまり床下と屋根から外気の影響を受けやすくなります。最近の住宅においては断熱材は外皮部分、つまり建物の外周部分に設けることが一般的です。ここで注意する事として、玄関や土間のような内装の床がない部分についても、床に断熱材を入れることです。屋根についても夏場の遮熱対策をしっかりしないと、光熱費が余計にかかる住まいになるため充分注意をしましょう。


4.光の取り入れ方
部屋の中に積極的に光を取り入れるためには、周囲の建物のバランスと、取り入れ方に工夫が必要です。
例えば、周囲が3階建やマンションなどの高い建物に囲まれている場合は、中庭を設けたり天窓のようなトップライトを採用することも必要です。また、設置する高さを変える事でより効率的に光を家の中に取り入れることが可能です。例えば、床のレベルに低く設置する地窓などで少しでも光を取り入れることもできます。家の前面が開けているけれどプライバシーも考慮して天井付近に設ける高窓にするのも1つのアイデアです。縦長窓や横長窓など他の種類の窓にもそれぞれの特徴がありますのでぜひ検討してみてください。


平屋はマンションと戸建てのいいところを併せ持ち、階段もなく安全に生活できる利点があります。住む方のライフステージが変わっても無理なく暮らし続けることができるのが平屋の最大のメリットと言えるでしょう。「人生100年時代」だからこそ、これまで以上に注目されている平屋について、最新の住宅技術や設備などと一緒に見学・体験しに住宅展示場を訪れてみてはいかがでしょうか?

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監修・情報提供:金内 浩之(一級建築士)
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