【第152回】セミオーダー住宅とは?メリット・デメリットや家づくりのポイント
2025.04.25
マイホームを手に入れるには、セミオーダー住宅を建てるという選択肢があります。しかし「セミオーダー住宅とは何なのか」「望み通りのマイホームをつくれるのだろうか」などの疑問や不安を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、セミオーダー住宅の特徴とメリット・デメリットを紹介しつつ、セミオーダー住宅に向いている人の特徴についても解説します。併せてセミオーダー住宅を建てる際に気をつけたいポイントについてもまとめていますので、セミオーダー住宅を検討する際の参考にしてください。

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セミオーダー住宅とは

「セミオーダー住宅」とは、建築会社が用意している建築プランから好みのタイプを選択し、変更可能な部分をカスタマイズしてつくる住宅のことです。
一軒家にはセミオーダー住宅のほかに、間取りや設備などをすべて自由に決められる「フルオーダー住宅」、建築会社が企画・設計する「建売住宅」などがあります。セミオーダー住宅は、フルオーダー住宅ほどの自由度はありません。しかし、完成したものを購入するだけの建売住宅とは違い、ある程度の好みやニーズを反映させられるのが大きな特徴です。
セミオーダー住宅のメリット

フルオーダー住宅と建売住宅のいいとこ取りができるセミオーダー住宅には、多くのメリットがあります。まずは、フルオーダー住宅や建売住宅との違いに焦点を当てつつ、どのようなメリットがあるのかを解説します。
費用を抑えつつ理想を叶えやすい
建築会社がベースとなるプランを用意しているセミオーダー住宅は、一から企画・設計していくフルオーダー住宅と比較すると、建築費用を抑えることが可能です。一方、仕様がすでに決まっている建売住宅とは異なり、ある程度は間取りや内装などをカスタマイズしたうえで建築できます。費用と自由度のバランスがよく、コストを抑えつつ希望を反映させたマイホームをつくれるでしょう。「建売住宅では物足りないけれど、できるだけ費用を抑えたい」というケースでは、セミオーダー住宅がおすすめです。
完成形・資産計画をイメージしやすい
フルオーダー住宅を建ててから後悔する要因として多いのが、「完成した住宅が想像と違った」というものです。また、間取りや設備、オプションなどの選択肢が広いがゆえに理想を詰め込みすぎてしまい、予算を大幅にオーバーしてしまうこともあります。
その点、セミオーダー住宅はベースとなるプランの仕様が決まっているため、完成後の住宅をイメージしやすく、失敗しにくいことがメリットです。なおかつオプションなども限られていることから、どのような費用が発生するかがわかりやすく、資金計画に沿った家づくりができるでしょう。
完成までの期間が短く済む
セミオーダー住宅では、使用する建材や間取り、デザインなどがある程度の範囲で規格化されています。そのためフルオーダー住宅と比べて施工効率が高く、工期も短めです。転勤や子どもの進学などで「この日までに入居したい」という要望がある場合にも、対応できる可能性があります。
また工期だけでなく、意思決定にかかる時間や手間を減らせる点も大きいでしょう。フルオーダー住宅では、自由度の高さゆえに企画や設計の段階で迷ってしまい、なかなか決まらないことも少なくありません。セミオーダー住宅は選択肢が限られている分、間取りやデザインを決めやすいという一面があります。
セミオーダー住宅のデメリット

セミオーダー住宅を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも把握し、納得したうえで計画を進めることが大切です。以下では、セミオーダー住宅にどのようなデメリットがあるのかを解説します。
不整形地だと対応しづらい
規格化されたプランをもとに建てるセミオーダー住宅は、間取りの変更が制限されることがあります。そのため三角地、台形地、旗竿地といった不整形地や狭小地などに合わず、住宅の建築ができないケースが出てくるでしょう。
ただし、すべての不整形地や狭小地で建築できないわけではありません。土地の条件によっては対応可能な建築会社も存在します。整形地に建てる場合と比べて選択肢が少なくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。
フルオーダー住宅のような細かい対応が難しい
セミオーダー住宅を建てる際は、すでにある程度の規格が決まっているプランをベースにしつつ、細かい部分を決めていくことになります。そのため、一からすべてを決められるフルオーダー住宅のように、すべてを希望通りにアレンジするのは困難です。場合によっては、こだわりたい部分が自由に決められないというケースも出てくるでしょう。また、希望するインテリアや置きたい家具などと変更できない部分が合わず、ミスマッチを起こす可能性もあります。
オプションの選択肢が限られる
セミオーダー住宅では、フルオーダー住宅と同じように自由にオプションを追加できるとは限りません。オプションが限定的であることが、コストを抑えられる大きな理由の一つです。
オプションの選択肢は建築会社やプランによって異なるため、プランを選ぶ際はあらかじめ仕様を確認しておきましょう。優先度の高い間取りや設備、デザインなどを採用できないのであれば、セミオーダー以外の方法を検討することをおすすめします。
セミオーダー住宅に向いている人

家づくりのこだわりポイントや優先事項などは人それぞれです。ここでは、セミオーダー住宅に向いている人はどんな人なのかを解説します。
期限が明確に決まっている人
フルオーダー住宅は決めなければならない項目が多岐にわたるため、着工までに時間がかかるケースが少なくありません。「子どもの進学に合わせて新居へ引っ越したい」「1年後に今の住宅を引き払う必要がある」など期限が明確に決まっている場合は、工期が短めなセミオーダー住宅がおすすめです。土地探しや建築会社選びを入居日の1年〜2年ほど前からスタートさせれば、余裕を持って進められるでしょう。
予算内で家をつくりたい人
自由度の高いフルオーダー住宅は最終的にいくらかかるのかが見えにくく、予想よりも費用がかさむことがあります。その点、セミオーダー住宅は規格化されたプランをベースに足りないものをオプションとして選んでいくため、費用や予算を管理しやすいのが特徴です。家づくりの費用を事前に決めた予算内に収めたい人は、セミオーダー住宅に向いています。
一定の家づくりのこだわりがある人
選択肢が限られているセミオーダー住宅では、マイホームに対するすべての理想を叶えるのは難しいかもしれません。しかし、多くの人がこだわるような優先度の高い部分は、希望に近い形で実装できる可能性があります。場合によっては、建売住宅ではできない間取りやデザインを取り入れることも可能です。「フルオーダーするほどではないけれど、ある程度はこだわりたい」という人には、セミオーダー住宅がおすすめです。
セミオーダー住宅を建てるときのポイント

マイホームは一生に一度ともいわれる大きな買い物であり、家族の暮らしの拠点となる大切な場所です。ここでは、満足度の高いセミオーダー住宅を建てる際に気をつけたいポイントを解説します。
優先順位をつけて建築会社を選ぶ
セミオーダー住宅は、フルオーダー住宅と比べると間取りの自由度やオプションの選択肢などに制限があります。できるだけ理想に近いマイホームを建てるには、希望条件に優先順位をつけましょう。そのうえで優先度の高い条件を叶えられる建築会社を選ぶと、後悔しない家づくりができます。希望に合うプランを見つけるには、複数の建築会社に話を聞くのがおすすめです。
アフターサービスが充実しているか確認する
住宅は数十年にわたって住み続けるものです。年月を重ねてからも快適な暮らしを送るには、定期的なメンテナンスが欠かせません。長期にわたって質の高いメンテナンスを受けるには、アフターサービスが充実している建築会社を選ぶことが大切です。保証が手厚い建築会社を選択すればメンテナンス費用を抑えられたり、専門家の手厚いサポートを受けられたりする可能性があります。
土地の形状を考慮して決める
セミオーダー住宅で理想に近い家を建てるには、土地の形状が重要です。不整形地の場合はそもそも建築不可能だったり、間取りに制限が生まれてしまったりする可能性があります。土地の形状は日当たりや風通し、外観デザインにも影響を与えることに注意しましょう。セミオーダー住宅を建てるために土地探しからスタートする場合は、土地探しと建築をセットで依頼できる建築会社がおすすめです。
担当者との相性を考慮する
家づくりをする際は、建築会社の営業担当者や設計士と何度も打ち合わせを重ねながら、さまざまなプロセスを進めていくことになります。要望を伝えたり提案を受けたりしながら、マイホームの建築という一大事業を成功させるには、担当者との相性や信頼関係が大切です。希望を的確に理解し、適切な提案やサポートをしてくれる担当者であれば、相性がよく信頼して家づくりができるでしょう。
まとめ
セミオーダー住宅で理想の家づくりを叶えよう

セミオーダー住宅は、建築会社が用意したプランをベースにしつつ間取りや設備、デザインなどを工夫できるのが大きな魅力です。プランの内容やオプションの選択肢は建築会社によって異なるため、まずは譲れない条件を明確にし、希望に合う建築会社を選びましょう。
セミオーダー住宅を依頼できる建築会社を探す際は、全国の住宅展示場を検索できる「家サイト」をご活用ください。住宅展示場では、モデルハウスを見ながら家づくりのプロにさまざまな相談ができます。ぜひお近くの住宅展示場へお越しください。
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監修・情報提供:福本 剛志 (設計事務所 アクア株式会社/二級建築士)
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本記事はTrail(株)が記事提供しています。
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