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家サイと学ぶ住まいの知識工法の種類と特徴

注文住宅を建てる際にまず決めなければいけない事の一つが、工法です。 木で建てるか、鉄にするか、はたまたコンクリートにするのか。 ここではそれぞれの特徴について紹介します。

工法の種類と特徴

木造軸組工法

木造軸組工法は、柱や梁・斜めの木の軸で構成されます。柱や梁などの縦横の軸が上からの荷重を支え、斜めの軸が地震や風などの横からの力に抵抗します。
この筋交いをたくさん用いることで地震などへの耐久性を高めることができるのです。
構造的な制約が少ないので大きな開口部を取ることができ、間取りやデザインの自由度が高いのが特長。増改築がしやすいことも魅力的です。
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2×4、2×6工法

アメリカから導入された2×4、2×6は木材の規格名称であり、小口の厚さはどちらも2インチ(38mm)ですが、幅は4インチ(89mm)、6インチ(140mm)となっています。木材の枠に合板を貼った木製パネルで箱を作るようにして建てる工法で、木造軸組工法の構成が「軸」なのに対して、「面」で構成するのがこの工法の特長です。
柱の代わりに壁、梁の代わりに床や天井で支え、力を面に分散させるので、木造軸組工法よりも耐震性に優れます。耐火性や気密性、断熱性の高さにも定評があり、開口部の取り方に制約はありますが、冷暖房に使用するエネルギーを節約できます。
2×6は2×4と比べて壁の厚みが約1.6倍となり強度が高くなるため耐震性に優れ、より広い空間を計画できます。
尚、モノコック構造とは骨組みの代わりに外壁に強度剛性を持たせる設計のことで、2×4、2×6はモノコック構造の一種といえます。
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木質系プレハブ工法

木質系の材料で壁・床・天井を組み立てる木質系プレハブ工法は、さまざまな建て方に対応します。パネル方式や軸組方式、軸組パネル方式があり、現在ではパネル方式が主流。
パネル方式は全てを面で接合する一体構造により、地震や台風など外からの力を建物全体に分散させることができます。つまり、歪みや狂いが起きにくい構造です。また、機密性が高いので省エネルギー効果も大きく、さらに内壁に不燃建材の石膏ボードなどを使用するため火災にも強いのが特長です。
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ユニット系プレハブ工法

鉄骨や木の柱で箱型フレームにし、そこに不燃パネルやコンクリート、セラミック系の板を取り付けて箱型ユニットを作ります。構造部材の種類により「木質ユニット工法」、「鉄骨ユニット工法」などに分かれます。
キッチンセットや電気配線、配管等の設備類の設置についても工場で行い、工場での作業の割合が多いので製品や部材のばらつきが少なく、品質が安定しているのが特長です。現場での作業は箱型ユニットを組み立てるだけ。工期が短縮できます。また、増築など将来の計画への対応も容易です。
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鉄骨系プレハブ工法

鉄骨系プレハブ工法は、軸組構造と壁構造の併用で構成されます。鋼材は工場内である程度溶接し、現場ではボルトを固定するだけなので、工期が短いことが利点。また、鋼材は他の素材に比べてコストが安定しています。気になるサビも、入念な防錆塗装で防ぐことができます。
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鉄骨+ALC工法

構成は鉄骨系プレハブ工法と同じで、壁全体の素材にALCを採用します。ALCとはオートクレーブド高圧・ライトウェイト(軽量)・コンクリートのことで、軽くて厚みがあり、鉄骨系より厚い鋼材で支えます。
コンクリート系に次ぐ強度の高さを利点とし、また、ALCは中に気泡が入っているため耐熱性にも優れているともいわれます。
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コンクリート系プレハブ工法

コンクリートパネルを工場生産し現場で組み立てる工法で、建て方は壁・床・屋根で構成する木質系パネル方式と同じです。
遮音性に優れるなど、最大の特長は性能の高さ。特に耐火性と耐久性に優れ、他の工法に比べて法定耐用年数の長さを誇ります。
ただし、コンクリートそのものの重量により、地盤の弱い敷地などでは地盤補強の必要が生じる場合があります。
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ラーメン構造(SE構法)

ラーメン構造

ラーメン構造のラーメンはドイツ語の「Rahmen」で、「額縁」や「枠」を意味します。
ラーメン構造は、垂直方向の「柱」と水平方向の「梁」の骨組みで建物全体を支えることから、窓や扉など開口を自由な位置に設けたり大きな空間を造ったりすることができます。また、将来リフォームする際も間取り変更の自由度が高いのも特徴です。ラーメン構造の柱と梁は「剛接合」という方法で接合され、地震や風による衝撃が加わっても固定された角度を保ち、柱や梁が柔軟に湾曲することで粘り強く耐えることができます。
ラーメン構造には、主に鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄骨造(S造)があり、ラーメン構造を木造建築物に取り入れたのがSE構法です。

SE構法

SE構法のSEはSafety Engineering(工学的に安全)の略で、SE構法とは木造建築物にラーメン構造を取り入れた木造ラーメン構法と言われています。SE構法は強度が高い構造用集成材を採用し、接合部に特殊金物を使うことで柱や梁の断面欠損や柱の引き抜き減少を防ぐ高い耐震性能があり、従来の木造軸組工法よりも地震に強い構法です。木造であっても大きな吹抜けや柱のない大開口・広い空間を造ることが可能で、地震に強くデザイン性の高い建物を計画できます。

モデルハウスではより詳しい特徴や、ハウスメーカー独自の強みなどを確認することが出来ます。気になる工法が見つかったら、ぜひ実物を確かめてみましょう。

監修・情報提供:高瀬 友基(一級建築士)
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